コラム:東洋医学史の裏話

今回は、知っていると東洋医学がさらに面白くなる歴史のちょっとした裏話について書いていきます。東洋医学は、昔から伝わる古いものという認識が一般的だと思います。



しかし、古くから代々受け継がれて、ずっと当時のままの形を保っているかといえば、実はそういうわけでもありません。

例えば、とてもメジャーな漢方薬の古典である『傷寒論』を例に挙げます。



この本は、もともと後漢の時代に張仲景という方が『傷寒雑病論』として執筆されたとされます。

しかし、当時は戦乱の真っ只中だったため、その混乱に巻き込まれ、すぐに散逸してしまったのです。

そこからも、 「誰かが頑張って一部を復刻させる」→「色んな人が書き写す過程で、内容の異なる『傷寒論』がいくつもできてしまう」→「それらを再編する」 といった経緯をたどり、何とか復刻されて現在のメジャーな形になりました。



そのため、元々のものとは多少なりとも形が変わっています。



また、現在残っている『傷寒論』にも、「宋本」「成本」「康平本」など、さまざまな種類が存在します。基本的には「宋本」がスタンダードなので、単に『傷寒論』と言えばそれを指しますが、時々別のバージョンを指していることもあり、ややこしい場合もあるので注意が必要です。



このように、一つの本をとっても多様な歴史があり、その中での解釈の違いが、現在の東洋医学における多彩な治療方針を生んでいます。

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